やぁ、お元気ですね 仲本工事さん
No.18 仲本工事さん
ゆめクラブ神奈川の機関誌『ゆめジャーナル』に連載しているコラムです。
各界の著名人が楽しく生きる秘けつを語ります。


「8時だヨ!全員集合」で大活躍   
 1970〜80年代、お茶の間を一世風靡した番組「8時だヨ!全員集合」。毎週土曜日の夜になると、テレビの前でおなかを抱えて笑った記憶がよみがえる人も多いことだろう。
 当時、番組で仲本工事さんが披露した華麗な体操の演技は、もともとの運動神経のよさに加え、中学2年から高校1年生まで所属した体操部での練習の成果だったという。
 「ぼくたちの小さいころは、みんなスポーツと言えば野球。ぼくも中学校に入学して、最初は、野球部に入ったんですよ。でもね、野球部で練習していると、どうしても帰宅時間が遅くなっちゃう。ウチは出店の靴屋をやっていて、ぼくは学校が終わると時々、父の仕事を手伝っていたんです。ある日、父がぽつんと“帰り、遅くなったな…”と言いましてね。そのとき“あっ、これはやめなきゃ”って思ったんです」

 その後、担任の先生の勧めもあって体操部に入部。めきめきと力をつけて、渋谷区の大会で優勝。高校入学後も体操を続け、1年生の時からレギュラーとして東京都の新人戦で入賞するなど数々の記録を生み出していった。

ドリフは正統派ミュージシャン
 一方、学生時代の仲本さんはギターの魅力に夢中だった。
 「音楽は中学時代から好きでしたからね。“ギター持ったら不良”といわれた時代に、父が誕生日プレゼントにギターを買ってくれたんですよ。プレゼントもらったのは後にも先にもあのときだけ。もう、うれしくてね」

 ラジオを聞きながら独学で演奏をマスターし、 ルイ・アームストロングの曲を皮切りに、マンボやR&Bなど、当時、流行した洋楽のレパートリーを次々と広げた。
「大学時代は、ジャズ喫茶のバンドのオーディションを受けて3年間、アルバイトがてら演奏していました」

 そこで知り合ったのが、なんと、加藤茶さんや高木ブーさんだというから、かれこれ40年以上のお付き合いになる。
 ちょうど仲本さんが大学を卒業するころ、すでに加藤さんや高木さんが所属していた「ザ・ドリフターズ」の新生スタートにともない、ギタリストとして加入。ドリフの一員として、社会人のスタートをきることになった。
 「人生はタイミングがすべてですね。だってぼくは、大学4年生の夏休みに商工会議所でアルバイトをしていて、“こういうところでサラリーマンとしてやっていってもいいな”と思っていたんですから…。まさか、コントやったり、コメディーやったりするなんて、夢にも思っていませんでした」

この夏、ドリフがCMに登場
 ザ・ドリフターズといえば、それぞれの個性が絶妙なバランスで調和していることが大きな特徴。チームワークのよさを象徴しているかのようだが・・・。
 「仲がいいってことじゃないんです(笑)いかりやさんと他のメンバーは“経営者と使用人”ですよ(爆笑)おそらく1対1では大変だったでしょうね。でも、1対4だから、みんなでぶつぶつ言って、バランスとったりしながら、うまくやっていたんです。これがドリフターズの社会構造ですよ」
 2004年春にいかりや長介さんが亡くなって以来、ドリフターズとしてブラウン管に登場する機会はなかったが、この夏、久しぶりに4人がそろってテレビコマーシャルに出演する。    
 また、「こぶ茶バンド」(仲本工事・高木ブー・加藤茶)としての活動も順調で、年に数回のコンサートを開催しているほか、仲本さん自身も、毎月、六本木のライブハウスでステージに立っている。
 「いまでもコンサート前にぱっと集まって“あれいこうか”“これやろうか”っていう感じ。練習するっていうよりも、もう、あうんの呼吸です」

子どもの“逃げ道”になれる父親に
 テレビの人気者・仲本さんも、家庭では、大学生と中学生の3人のお子さんを持つやさしいお父さんである。
「子どもたちには、“勉強がすべての世の中じゃないから、好きなことをやっていいんだよ。どんなことがあってもパパはお前たちの味方だから”といつも言ってるんです。女房とは正反対ですね(笑)。

 でも、子どもって、追いつめられたり、怒られたり、何かイヤなことがあったとき、どこかに一カ所逃げ道がないと苦しくなっちゃうでしょ。だから、忙しくてあまり子どもたちと過ごす時間はないけど、なんでもオープンに話せるように心がけて、子どもにとって“逃げ道”の存在になろうと思ってます」

 ちょうど受験や思春期の子どもを持つ父親として、教育問題などへの関心も高い。
 「もっと国が人を育てることに力を入れていくべきだと思いますよ。たとえば、将来の目標に応じて、早い段階から国がバックアップして専門的な教育を無料で受けさせてあげるとかね。その分、大人になって彼らが働いて活躍するようになったら、税金としてしっかり返してもらえばいいじゃないですか。国が若い人たちに投資して、税金を循環させるようなシステムが必要だと思います。それに、いま、社会が荒れていますから、もっと学校教育の中で心を育てるというか、精神性や宗教性を含めた情操的な授業が大切なんじゃないでしょうか。自分が子どもを育てるようになってから、いろいろと考えるようになりました」

音楽はいいよっ!
 65歳を迎える仲本さんの健康維持の秘けつを尋ねると---。
 「特別なことはしていませんよ。疲れたら休む。眠くなったら寝る。だいたい睡眠時間は4時間。ずっと、そういうリズムになっていますね。ぼくはもともと自然体なんです。タバコも吸いますけど、いたって健康。マイペースなのがいいんでしょうね」

 さて、東京育ちの仲本さんの神奈川にまつわる思い出は?
 「神奈川は昔、バンドにいたころによく、米軍キャンプなどをまわってライブをやったことがなつかしいですね。それから『8時だヨ!全員集合』の公開生放送では、小田原市民会館にもよく行きました。あとは温泉ですね。東京からすぐですからね」

 最後に、神奈川のゆめジャーナルの読者の方々へエールを贈っていただいた。
「音楽はいいよ!歌うも結構。聞くも結構。生活にリズムを与えるってことが、よろしい
んじゃないですか!」





プロフィール
仲本 工事さん(なかもと こうじ)
 1941(昭和16)年7月5日東京都生まれ。
 東京都立青山高等学校を経て、学習院大学法学部へ。大学卒業後の1964(昭和39)年、バンド仲間だった加藤茶、高木ブーに誘われて、「ザ・ドリフターズ」結成に参加。「8時だヨ!全員集合」などで一躍、お茶の間の人気者に。
 現在も俳優として舞台・テレビで活躍。また、ミュージシャンとして、毎月、六本木のライブハウスでライブ活動を展開しているほか、演歌歌手・三代純歌のプロデュースも手がける。


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