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| No.23 牟田 悌三さん | ||
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| ■PTA活動で気づいた“大切なこと” |
牟田悌三さんは、昭和20年代後半----テレビの黎明期から、ドラマやCMをはじめ、舞台、映画に至るまで、芸能界の第一線で幅広い活躍を続けてきた。 その一方で、昭和56年には「世田谷ボランティア協会」の設立に関わり、平成8年には孤立化する子どもの心を受け止める「せたがやチャイルドライン」を開設、そして平成10年には、コミュニティFM「エフエムせたがや」を開局させるなど、長年にわたって地域コミュニティを広げるまちづくりに積極的に取り組み、ボランティア活動に奮闘してきた。 ボランティア活動を始めたきっかけは、二十数年前、ご自身の子どもさんたちの通う学校でPTA会長を務めたことだったという。 「私には5人の子どもがいるんですが、ちょうど全員が一つの小学校にお世話になっていた時期があるんですね。6年生・5年生・3年生・2年生・1年生と……(笑)。そのときにPTA会長を引き受けることになりましてね」。 それまでは、学校や子どものことはまったくわからなかったという牟田さんだが、学校に出向いて活動していくなかで、いろいろなことが見えてきたという。 「当時の子どもたちは物質的に満たされている分、意欲がなくなっていて、それが無感動や無関心、無表情にはつながっているのではないかという気がしたんですね。 “(物質的な)不足が不足”しているのではないかと……。だからこそ、子ども自身が何かを感じたり、考えたりするチャンスをあげるべきだ。このままじゃいけない、と思いました」。 |
| ■ボランティアは生涯学習 |
さまざま思索を重ねてたどりついたのが、「ボランティアの心を子どもたちに伝えたい」との結論だった。 「子どもたちがハンディキャップを持った方とおつきあいするなかで"人間は一人一人違いがある"ということを知り、その違いをお互いに感じ合ったり、認め合ったりすることができたら……と思ったんです」 世田谷区内の公立中学校に呼びかけてボランティア活動に参加する生徒を募集したが、なかなか集まらない。そこで、牟田さんが一校一校に電話をかけ、やっとのことで61名を集めたことも懐かしい思い出だ。 こうして障害を持った子どもとの交流を目的とした「障害のかきねをはずそう会」が発足。中学生が数人ずつのグループに分かれ、土・日を中心に、障害を持つ子どもと交流するふれあい活動を3カ月間続けていった。 「それがもう、私にとっては大発見でした。大人が感じる以上に子どもたちはいろんなことを感じてくれました。子どもたちの感想文のなかに、『最初は障害を持った人の手助けをするという気持ちでこの会に入ったけど、実際に活動してみたら、障害者も私たちも同じ。私たち以上に生きることに一生懸命だった。お互い補い合って、支え合っているんだとわかった』と書いてあったんですね。驚きました」。 こうして、10年間にわたって、子どもたちと一緒にボランティア活動を続けるなかで、牟田さんのボランティア観も、大きく変わったという。 「私も最初は、ボランティアというのは“自己犠牲”だと思っていましたけれども、そうではない。“自己啓発”であり“自己実現である”ということに気づいたんです。ボランティアで大事なことは、何をやったかよりも何を得たかなんです。ですから、ボランティアというものは“人間を学ぶ”ための、とっておきの生涯学習だと思います」。 |
| ■“お互いさま”の心をもって生きよう! |
| 高齢化が進む昨今、生涯学習の必要性が叫ばれて久しい。高齢者が“気負わず” “照れず” “楽しんで” ボランティア活動をするには、どうしたらいいのだろうか----。 「ボランティアは奉仕とは違います。たとえば、こちらが何かをしたことに対して、相手が“いらない”と言ったときに“せっかくやってあげているのに”と思ってしまうと、ボランティアは続きません。実は、私も活動を始めたころ、そういうふうに思っていて、疲れ果ててしまったんです。そこで発想を転換し“自分があげたら、相手からももらえばいい”と考えることにしたんですよ。或るときはあげたり、或るときはもらったり……。そういう“お互いさま”の社会が築けたらいいですね」。 その“お互いさま”を実践するためにも、積極的に仲間を作り、社会で孤立しないことが最重要なのだ。 「人間にとって大事なのは、人間関係を作ることですよね。年をとって孤立してしまうことはつらいことですから……。人間関係を作るっていうのは、一番、手間ひまのかかることだけど、その手間ひまをなくしてしまったら、おしまいですね。合理化や効率化という社会に流されてわずらわしさを避けてしまったら、ますます人間らしさを失い、どんどん人間関係が希薄になってしまいます。たった一人でも自分を受け止めてくれる存在がいるということが大切なんですよ。年をとっても仲間をつくることが幸せになる秘けつだと思います。そういう観点から見ても、ゆめクラブ(老人クラブ)などは貴重な存在価値があると感じますね。人の輪の中に入るのもいいことだし、なんでも話せる仲間がいれば、人生の楽しみが広がりますから」。 |
| ●プロフィール むた ていぞうさん |
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